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2015.12.13
赤穂ハーモニーホールの舞台出演中に
倒れて逝った木下通博さんに捧ぐ


「斬られ役」
詞曲 江端恭臣151220

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 あの日もおまえは 舞台の上で 殺陣を演じた時やった

 主役役者に斬りつけて バッサリ斬られた後やった

 倒れたおまえは動かない 仲間がおまえの名前を叫ぶ

 斬られ役 斬られ役 おまえの生き様そのままに

 斬られ役 斬られ役 おまえはホンマの斬られ役

 慌てて降ろした幕の前では 主役役者が笑顔を見せた

 

 

 イカツイ顔とは 裏腹に 面倒見がよく 子煩悩

 後輩役者に親分と 慕われていたなぁおまえ

 万年脇役 斬られ役 何万回も 死んだのに

 斬られ役 斬られ役 おまえの生き様そのままに

 斬られ役 斬られ役 おまえはホンマの斬られ役

 冷たくなった おまえの耳に 幕の向こうの  拍手が届く

 

 

 斬られ役 斬られ役 おまえの生き様そのままに

 斬られ役 斬られ役 おまえはホンマの斬られ役

 まるで何も 無かったように 今日も舞台の  幕が上がる


 2015年12月13日、赤穂ハーモニーホールで開催された「赤穂義士祭前夜祭・ふれあいステージ」に我々「尾崎のまちを考える会有志おさてんオヤジ団」が出演した後の17時から、東映剣会の役者による殺陣とその後に上映される「太秦ライムライト」(斬られ役俳優が主役の映画)の舞台挨拶がありました。その後に、翌日の赤穂義士祭の義士行列で大石内蔵助役をする西郷輝彦さんが舞台に立つ予定になっていたので、我々は、舞台の袖から見学していました。
 数名の役者さんたちが、客席に向かって一列に並んで話をした後、退場しようとした瞬間、一人の役者さんがバタリと倒れました。見ていた私たちは、これも一つの演出だと思っていましたが、役者仲間たちがその人の名前を叫び、体を揺さぶりはじめ、裏方が慌てて緞帳を降ろしました。その後、役者仲間たちが懸命に心臓マッサージを繰り返す中で、舞台の幕の前では、急遽西郷輝彦さんが、お客の動揺を鎮めようと平静を装って、司会とやりとりをされていました。
 倒れた役者は木下通博さん。一時は息を吹き返したものの、救急車で搬送された病院で、その後亡くなったとのことです。
 舞台の袖で一部始終を目撃した者として、「斬られ役」を演じきった木下さんを偲ぶ歌を作らせてもらいました。